COLUMNコラム

【歯科医師監修】銀歯とセラミックの比較|寿命・費用・後悔しない選び方をプロが徹底解説

「ふと鏡で自分の姿を見たときや、笑った瞬間の写真で『銀歯』が気になったことはありませんか?」

日本の保険診療では一般的な銀歯ですが、実は見た目だけでなく、数年後の『歯の寿命』にも大きく関わっています。(今はプラスチックという選択肢もあります)
『セラミックは高いから……』と諦める前に、まずは銀歯とセラミックで何がそんなに違うのか、その正体を知ってみませんか?

今回は、10年以上審美歯科に携わってきた、私、現役の歯科医師の視点から、費用・寿命・そして意外と知られていない『虫歯の再発リスク』の違いを徹底解説します!!

まずはこの表をご覧ください!!

比較項目 銀歯(保険適応) セラミック(自由診療)
見た目 金属色が目立つ 天然の歯のような透明感
二次虫歯リスク 高い 低い
歯茎への影響 黒ずむことがある 変色せず健康的な色を維持
金属アレルギー リスクあり なし(体に優しい)
平均寿命の目安 約2年~7年 約10〜15年以上(メンテ次第)

ここで、「二次虫歯ってなに?」って思いましたよね!!一度治療したあとに、もう一度虫歯になることを言います。

なぜ銀歯の下で「二次虫歯」が起きてしまうのか?

歯科医院を訪れる患者様の多くが、「昔治療した銀歯が痛む」「銀歯が外れた」という理由で来院されます。そこで銀歯を外してみると、その下は真っ黒な虫歯(二次虫歯)になっているケースが後を絶ちません。(銀歯による錆も含む)

なぜ、一度治療したはずの場所が再び虫歯になるのでしょうか。そこには3つの大きな理由があります。

① 「接着」ではなく「合着」という弱点

銀歯は、専用のセメントで歯に「はめ込まれている」状態です。(茶筒を思い浮かべてください)これを専門用語で「合着(ごうちゃく)」と呼びます。 しかし、このセメントは年月とともに唾液で溶け出していきます。セメントが溶けると、銀歯と歯の間に目に見えないほどの「隙間」が生まれます。そこへ細菌が侵入し、銀歯の下で密かに虫歯を進行させるのです。

一方、セラミックは「接着(せっちゃく)」という手法を用います。歯の成分とセラミックを化学的に一体化させるため、隙間が生まれにくく、細菌の侵入を物理的にシャットアウトします。

② 金属の「腐食」と「劣化」

銀歯は、お口という過酷な環境(熱いもの、冷たいもの、強い酸性、強い噛み合わせの力)に常にさらされています。その結果、金属が酸化し、少しずつ錆びて変形していきます。 金属が変形すれば、当然、元の歯との適合は悪くなります。ミクロの単位で浮き上がった銀歯は、もはや虫歯菌にとっての「絶好の隠れ家」となってしまいます。

③ プラークの付着率(表面構造の差)

セラミックと銀座の顕微鏡比較

「鏡」のようなセラミックと、「クレーター」のような銀歯

顕微鏡で表面を拡大すると、その差は一目瞭然です。

  • セラミック: 非常に緻密な構造で、表面を極限までツルツルに磨き上げることができます(専門的には「表面粗さ」が非常に小さい状態)。例えるなら、新品のガラスコップのような状態です。
  • 銀歯: 金属を溶かして作る際に、ミクロ単位の小さな穴(鋳巣)や、研磨しきれない細かな溝が残りやすい性質があります。さらに、お口の中で使っているうちに「腐食(サビ)」が進み、表面がどんどんデコボコのクレーターのようになっていきます。

これでは細菌がとても生活しやすい環境ですね・・・
これまで、「二次虫歯」になる原因を解説していきましたが、「二次虫歯」だけではなく、もっと恐ろしい銀歯の悪影響があるのです!!

銀歯からの金属アレルギー急増!?

金属アレルギーと「メタルタトゥー」のリスク

知らぬ間に忍び寄る金属アレルギー

銀歯に含まれるパラジウムや銅などの金属イオンは、長い年月をかけて体内に溶け出していきます。これが原因で、突然「手のひらや足の裏に湿疹ができる(掌蹠膿疱症)」などの金属アレルギー症状を引き起こすことがあります。

「自分は金属アレルギーではないから大丈夫」と思っていても、ある日突然、体内の蓄積量が許容量を超えて発症するのがアレルギーの怖さです。

銀歯の成分である「パラジウム」「銅」は、日本の保険診療を支えてきた重要な金属ですが、実は歯科金属アレルギーの原因ワースト1位・2位を争うほど、アレルギーリスクが高い素材でもあります。
歯科医師の視点から、これら2つの金属が体にどのような影響を及ぼすのか、最新の知見を交えて詳しく解説します。

1. パラジウム:歯科金属アレルギーの「主犯格」

日本の保険適用の銀歯(金銀パラジウム合金)には、約20%のパラジウムが含まれています。

なぜパラジウムが危険なのか?

パラジウムは非常に「イオン化」しやすい、つまり唾液に溶け出しやすい性質を持っています。溶け出したパラジウムイオンが体内のタンパク質と結合すると、免疫細胞がそれを「敵」と見なし、激しい拒絶反応(アレルギー)を起こします。

  • 感作率の高さ: 日本人の約20〜30%がパラジウムに対して潜在的なアレルギーを持っているというデータもあります。
  • 海外の動向: ドイツやスウェーデンなど一部の医療先進国では、妊婦や小児に対してパラジウムの使用を控えるよう勧告が出されているほど、その毒性が警戒されています。

主な症状

  • 掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう): 手のひらや足の裏に、膿を持った水ぶくれが繰り返しできる非常に難治性の皮膚疾患です。
  • 扁平苔癬(へんぺいたいせん): お口の中の粘膜が白く網目状になり、しみて痛む病気です。

2.銅:酸化しやすい代表

銅は非常に酸化しやすく、お口の中で「錆び」の原因になります。10円玉が古くなると黒ずむのと同じ現象が、あなたのお口の中で起きています。

  • メタルタトゥー: 銅や銀が酸化して溶け出すと、歯茎の組織に沈着します。これが歯茎をどす黒く変色させる「メタルタトゥー」の直接的な原因になります。一度沈着すると、銀歯を外しても色は消えず、レーザー治療や薬剤を使ったピーリングが必要になることが多いです。
  • ガルバニー電流: 銅などの異なる金属がお口の中にあると、唾液を介して微弱な電流(ガルバニー電流)が発生します。これが脳の指令を乱し、頭痛や不眠、イライラといった自律神経の乱れを引き起こす一因になると指摘されています。

セラミックを長持ちさせるコツ

では、せっかく入れたセラミック!

「セラミックにしたからもう安心」というわけではありません。セラミックは「虫歯になりにくい」素材ですが、支えているのはあくまでご自身の「歯」と「歯茎」です。

長持ちさせるにはコツがあります。

  • ① 毎日のフロスを忘れない: 歯の表面はツルツルでも、歯と歯の間の汚れは物理的に落とす必要があります。
  • ② 3ヶ月に1度のプロフェッショナルケア: ご自身では届かない部分のクリーニングと、噛み合わせをチェックします。このチェック怠ると、セラミックの種類によっては、咬合している天然歯に影響を及ぼす場合もあります。
  • ③ ナイトガードの活用: 寝ている間の無意識な力から、セラミック、セラミックと咬合している天然歯を守ります。

「私の銀歯、中はどうなってる?」「費用は総額でいくら?」そんな些細な質問でも大丈夫です。まずは現在のお口の状態をチェックし、納得いただけるまで丁寧にご説明します。

A Dental Clinic道玄坂院長 岩渕彩加
審美歯科歴10年以上

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